発達グレーの子が宿題をやらない理由と、我が家で効果があった対処法【後編】

こんにちは、こんばんは
現役公文式指導者&放デイ児童指導員
自身もAHDHの次女・三女を育てるオリーブです

さて、前回の投稿では
発達グレーの子が宿題をやらない理由と、我が家で効果があった対処法【前編】

①【宿題を失くす】
②【途中までやって違うことを始める】
③【宿題を始めるまでが長い】
④【難しい問題があるとやる気が急速ダウン】
上記のうち
①と②の対処法についてお伝えしました。

後編では③と④について考えてみようと思います
我が家の次女・三女の発達特性については前編をご覧ください

我が家の対策

宿題を始めるまでが長い

ADHDっ子は気持ちや行動の切り替えが苦手です
うちの子は特に
好きなこと(楽なこと)⇒やらなきゃいけないこと
への移行が出来なくて毎回バトル(-_-;)

だいたい、好きなことの後は「嫌なこと」「やりたくないこと」
なんですよね💦
おやつの後の宿題
ゲームの後のお風呂
などなど
気持ちは分からなくもないですが……
大人だってついつい、後回しにすることある(笑)

そうはいっても、やらないわけにはいかないので
どうやって切り替えるかが問題です
とくに特性がある子は
計画を立てる
スケジュール化する
のも苦手。
集中したら周りが見えなくなってしまうし
時間がどれくらい経っているかも
分からなくなってしまう
先を見通す力も弱いから
優先順位を立てることも苦手です

また、脳の前頭前野の機能が弱いため
気持ちの処理や抑制が難しい…
そこに衝動性や注意欠如も影響してくると
感情や行動のコントロールが上手くできません
思い通りにならないと癇癪を起すのはこのためです

我が家も切り替えが上手くいかないと
小さい時は癇癪をよく起こしていました
あんまり大きな声で泣くので
ご近所に虐待を疑われないかとヒヤヒヤしたものです💦

対策: 見通しを持つ

そこで我が家では――
下校から就寝までの一連の流れが分かるよう
リビングに予定表を設置しました
小さい時はホワイトボードを使って
「時間」「やること」をリストアップ
その隣には できたまだ と書かれた欄を設け、
マグネットの移動でチェックするタイプでした

次にやることが本人にも分かりやすく
尚且つ、「おやつ終わったら宿題はじめるよ」
と前もって声掛けもしていました
スムーズに移行できた時はたくさん褒めて
できなかった時は「明日はできるといいね」
とだけ伝え、本人が落ち着くまで
そっとしておく
気持ちが整えば、ホワイトボードを示して
「次は何やるのかな」
と再び問いかけるようにしていました

正直、小さい時はこの繰り返し……
今はできなくてもしょうがない
そのうち少しずつできるようになる
と思って(親は苦しいんですけどね)
同じアプローチを続けました

少し成長してチェック項目が増えた頃――

参考にしたこども手帳の本

あな吉手帳から派生した
「こども手帳術」の本に出会いました
6穴式のバインダーに一日のチェック表と
子どもの好きなものをファイルするというものです

チェックは付箋で行うので
毎回書く手間もなく、どこにでも持ち歩けます
しかも自分の「好き」がつまった世界にたった一つの手帳……
これが習慣になってくれればいいな
と思ったのですが
甘かった……

チェック表は機能せず、
好きなものをどんどんファイルして
ヒマさえあればそれを眺め、
何を言っても、どうなだめても
次の行動に移れなくなりました💦
まさに本末転倒!

そこで、次に作ったのが
こども手帳のチェック表のみバージョン!

こども手帳のスケジュール表のみバージョン


100均のスマホスタンドに立てかけています
ボードのデザイン、かなり賑やかな絵柄ですが💦

このボードのデザインはすべて娘が選びました
バーチカルタイプ(時間目盛り入り)も作ってみましたが
時間通りに進めるのは難しく
「やっぱりできない」と言われないように
「これからやること」と「おわったぞ」
の二択だけにしました

宿題だけでなく、テレビやゲームなど
やりたいことも記載しました
下校後のおやつの時が貼り替えタイム♪
親子で相談しながら
優先順位が高い順に付箋を貼りました

これで、家に帰ってから寝るまでの間に
やるべきことが見通せます

ただこれね、すごくジャマなんですよ……
サイズはA5で作ったのですが、
とにかく散らかし小僧の三女の場合
他の教科書やらノートやらの山に押され
かなりの頻度でテーブル下に落下!
その存在を抹殺されていました

ぞんざいな扱いをされていましたが(;^ω^)
今までのなかでは、一番長く使ったと思います

対策:全体量を掴む

さらに成長して、中高生になった現在は――
以前にも書いた「バレットジャーナル」形式になりました
次女はスマホ、三女はA6のリングノートを
使っています

次女はだいぶ形が決まってきて
TODOリストや欲しいものリスト
テスト勉強の優先順位など
時には友達からアドバイスをもらいながら
(優先順位の確認など)
スマホのアプリで管理しています

三女は現在模索中……
書くという行為そのものが面倒でイヤ!
というので、ハードルを下げるために
時々私が書くこともあります

三女のバレットジャーナル
最近のノート

三女は特に、時間の管理ができません
そこで中学に上がった際に
【何に何分かかるか】をすべて計測しました
そのデータをもとにして、毎日
「だいたい何分で終わるだろう」と予測
一つの宿題にかかる時間をノートに記録します

少し前までは
国語プリント 15分
数学自主学習 20分
という感じでかかる時間だけ書いていました

それなのに、寝る時間はどんどん遅くなるし
宿題も終わる気配がない
気付けば離席しててリビングにいない(ー_ー)!!
こちらもしびれを切らして
「宿題どこまで終わったの?」
なんて聞いたものなら
「うるさいなぁ、今やってる!」
と文句が三つくらい飛んでくる
三女にとって、ノートに書くことが
ただの作業になっていたんだと思います

実際のところ
帰宅からご飯と入浴を済ませれば
就寝時間まではあまり時間がないはずなのに
なんでか、本人は焦らないし慌てない
親の方がハラハラ・イライラ
結局日付を越えるまで宿題が終わらない💦
こんなことが、ここ数週間続いていました

そこで考えたのが
【宿題が終わるまでの全体量を把握する】
ってこと!
事前に最低限必要な時間
というのを知ってもらうわけです

結果的にこの方法、かなり効果がありました!

三女の夕方以降のスケジュールは
18時30分に帰宅して
その後、夕食(30分)と入浴(30分)を差し引けば
22時30分の就寝までに
学習ができる時間は最長2時間半しかありません

それなのに(なんか知らんけど)
学校から配られたアンケートに
2時間もかけていたり……
(やりたくなーいという気持ちと
いつもの良く分からない変なこだわり発動!)
予定の先読みが出来ない三女は
毎回このトラップに引っ掛かっていました

じゃあ試しにやってみるかと思って、
先日私に促されて(渋々でしたが)
学習のトータル時間と学習ができる時間を
突き合わせてみたんです。そしたら……

「うわ…💦帰って来てから、これしか時間ないんだ……」
とようやく気付いたらしく(笑)
「え? ってことは、今日の宿題全部で2時間かかりそうなんだけど……やば、時間ない」
ってつぶやいていました
母は「しめしめ……( ̄▽ ̄)ニヤリ」
と思ったわけです

おかげさまでここ2週間くらい
タイマーとにらめっこしながら頑張っています
取り掛かりもだいぶ早くなりました
あとは、続いてくれればいいんですけどね💦

難しい問題があるとやる気が急速ダウン

ADHDの子には「実行能力の弱さ」
というものがあります。そのため
やる気を出しにくい、日中ぼんやりしやすい
ことが分かっています

そういった脳の特性がある上に
多動や衝動性も相まって、ミスも多くなる
ADHDの子は普段から怒られているので
自己肯定感が低いです

そういった状態で難しい問題に遭遇したら……
ただでさえやる気が出にくいのに
「どうせ自分にはできない」と
自己肯定感の低さが炸裂!
諦めが早くなるのも自然な流れですよね

対策:ハードルを出来るだけ下げる

まずはADHDのお子さんには
「できた!」「やれた!」
という成功体験をたくさん浴びる必要があります

そのためにも
できるだけハードルを下げてみるのも手です

宿題をやるか、やらないかではなく
ランドセルから宿題を出せたら
「宿題やろうと思ったんだね」
「宿題出せたね」
と褒めてみてください

褒め方が分からない方がいらっしゃれば、
その行動を言葉にしてみてください
上の声掛けも
「出せたね」とか「思ったんだね」
という行動を言葉にしただけ
イスに座ったら
「イスに座ったね(座れたね)」
で良いんです
これだけで、なんか褒めてる感じ出るでしょ?

子どもが反抗期だと
「『バカにしてんの?』って言われそう💦」
って心配になりますけどねwww
でも、ご安心を!
ヘタに「エライね」「すごいね」と言った方が
偽善的に感じて子どもは引きます
逆に行動を言っただけなら
間違ったことを言っているわけではないので
すんなりと受け入れてくれますよ

イスに座れたら
ノートをひらいたら
鉛筆を持ったら
一問でも取り組めたら

そのたびに褒めてあげて良いんです
そんな小さな小さな成功体験を
積み重ねているから
難しい問題にも
「チャレンジしてみようかな」
と思えるんです

大人にとっては些細なことでも
子どもにとっては些細なことではありません
まして、ADHDの子にとっては
【立ちはだかる大きな壁】
に感じることもあるのです

我が家の場合、
三女は何かを書くのが面倒でイヤ!
宿題は渋々やりますが、
忘れないためのメモや
スケジュール管理のための
箇条書きをとても嫌がります

しかし、将来的な自立を考えれば
ワーキングメモリーの低い三女にとって
【メモを取る】という行為は
絶対に必要となるでしょう

なので、時間の許す限り今は
私が変わりに書くこともあります
でも、そのメモのおかげで

忘れ物をしなかった
一日が上手く回った
ご機嫌で過ごせた

という成功体験がたくさんでき、
次は「自分でも書いてみようかな」
につながると思っています

たった一言書くのが「イヤ」でも
そのたった一言で楽しい一日になる
「だったら書いた方が良いじゃん」
って思えたら、三女は書くと思うのです
(実際、自分で書く日も増えてきました)



こうやって、私が書く頻度が少しずつ減っていく――
楽しみでもあるんですが
自立して巣立っていく姿を想像すると
もう少し書いてあげてもいいのよ
と思ってしまう自分がいます
以前は「早く出来るようになって!」と焦っていたのに
今になって、その成長の速さに寂しさを感じてしまう
親もなかなか、わがままなようですwww
(この春、長女が自立してちょっと寂しい母)

後編まとめ

いかがだったでしょうか?
【宿題を始めるまでが長い】ときには
①見通しをもつこと
②全体量を把握すること
この二つが効果ありました
年齢が小さい場合は①だけでも
いいと思います

【難しい問題があるとやる気が急速ダウン】
特性のせいでやる気が出ない
ボンヤリしがちであることをまず理解する

そこを理解して、まずはハードルを下げて
たくさんの成功体験を積み重ねる
すぐに効果が出るわけではないですが
その効果は絶大です

遅すぎることもありません
早すぎることもありません

障害があろうがなかろうが
たくさんの成功体験を積ませることこそ
将来の【自立】への大きな助けとなるでしょう

私も現在進行形で子育て中
至らないところもたくさんあります
私のトライ&エラーが
となたかの役に立てたら嬉しいです

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